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2009.08.01

博物館学照明実習

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今年も芸大の夏期集中講義無事終了いたしました
立体、平面 照度制限のかかったライティングなど今回は全体を3つのグループに分けて一日で3パターンの照明実習を行いました
初日の講義で基本的なライティングの話と器具の基本知識をお話しして2日目は目いっぱいライティングの実習を体験してもらいました
実技の最初のテーマでは予見を入れずに学生たちの感性や工夫(前日の講義の内容を踏まえて)を尊重し好きなように照明を当ててもらいました、2回目のときに前回の問題点や美術館の照明としてのポイントを話してスタート、彼らの光を見る感性にはいつもながら感心します
彼らに話したことは自分の目を信じることと、なぜそのような光を選んだのかの意図を持つことを強調しました
美術品に光を当てる場合、明るい、暗いだけでなく、作品の質感にあった強さや色温度、
拡散光かレンズを通さない集光の光か
作品に対しての光の大きさ(照射範囲)や光源の数
光を当てることによってできる影の処理、導線計画を考慮した光の向き、
外部から入り込んだ時の作品の見え方、眼の順応による後半の見え方ん変化
などなどなど
正解は無限にありますが少なくとも美術館の光環境を整え作品の保護を考慮し、お客様が快適に鑑賞できる環境を外した場合は失敗です
P1040729a
3つのテーマの中の一つに和室の軸に照度制限50lxをかけました
ここでのテーマは作品保護のためにマックス50lxの照度を守って美術館としての光環境を作ってくださいというものです
自分たちの美術館にお客様を招くときに一番いい光環境を作ってください
あなたが館長です
このテーマで小一時間してみると3つのグループすべてがかなり暗い設定の環境を作っていました、作品の照度で大体20~30LXぐらいです
毎回なぜこの明るさを選んだかを問うと作品の質感や見え方が一番きれいに見えるや
箔のきらめきが強すぎるから弱い光で見せたかったなどみなそれぞれの理由を意図を持って結果的に弱い光で環境を作りました
私はこの結果には大変満足しました(もちろん個人的にですが)ともすると照度制限がかかると目いっぱい明るくしたくなるものです。
しかし彼らは自分たちの目を信じてこの明るさで作品を見せたいと判断をしました
またそこには光を選んだ意図が明確です
一般的にこの明るさでお客様を招いた場合は暗くてよく見えないと必ず言われるでしょう
もちろん授業ですから照度を落した場合の欠点も説明しました、当選細かなディテールは見難くなるし、ハロゲン光源で調光した場合の色温度の低下による本来の色の再現のむずかしさなどを
一日ですべてを体験することは難しいけれども良い環境や悪い環境の違いは理解できたと思うし、光の扱い方で環境や作品の見え方が劇的に変わることも感じてもらえたと思います

誰もが当たり前に光の善し悪しを判断できるようになると日本の光文化も安泰なのですが・・・・・
彼らに期待しましょう

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